逆関数の性質

逆関数の性質

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気になるところをタップして確認しましょう。

2つの変数 xy について,x の値が1つ決まると,それに対応して y の値がただ1つ決まるとき, yx の関数である といいます。

 

逆に,y の値が1つ決まると,それに対応して x の値がただ1つ決まるなら, xy の関数である と考えることができます。

一般に,関数 y=f(x) において,値域内の y の値が1つ決まるとき,それに対応して x の値がただ1つ決まるなら,xy の関数になります。この関数を x=g(y) と表します。
 
このとき,変数 yx に書き直した関数 g(x) を,もとの関数 f(x) 逆関数 といい,記号で f^{-1}(x) と表します。

 

  • 関数とその逆関数では,定義域と値域が入れ替わります。
  • f^{-1}(x) を見て,a^{-1}=\dfrac{1}{a} を思い出した人,素敵です。そう! a\dfrac{1}{a} を逆数と呼ぶのと同じです。f^{-1}(x) は関数の世界での逆数を表しています。
f(x) の逆関数 g(x) の求め方
  1. y=f(x)値域を求める
  2. y=f(x) x について解きx=g(y) の形にする
  3. xy を入れ替えてy=g(x) とする
    • 最初に求めた値域もyx に替えて定義域にする

Happy Math-ing!

関数 y=2^x の逆関数は y=\log_{2}x です。互いに逆関数ですから

\begin{align*}
x=\colorbox{mistyrose}{$3$}\ のとき   & y = 2^{\colorbox{mistyrose}{$3$}} = \colorbox{lightgreen}{$8$}\\
x=\colorbox{lightgreen}{$8$}\ のとき   & y = \log_{2}\colorbox{lightgreen}{$8$} = \log_{2}2^3 = \colorbox{mistyrose}{$3$}
\end{align*}

つまり逆関数の定義より,次のことが成り立ちます。

関数 f(x) が逆関数 f^{-1}(x) をもつとき

\colorbox{lightgreen}{$b$}=f(\colorbox{mistyrose}{$a$}) \Longleftrightarrow \colorbox{mistyrose}{$a$} = f^{-1}(\colorbox{lightgreen}{$b$})

逆関数は逆数と同じ性質を持っています。例えば,3 とその逆数 \dfrac13 をかけると

3 \times \dfrac13 = 1

このとき,1 を積の単位元といいます。どんな数でも,その逆数をかけると必ず積の単位元になります。これを関数と逆関数でも考えると

\colorbox{lightgreen}{$b$}=f(\colorbox{mistyrose}{$a$}) \Longleftrightarrow \colorbox{mistyrose}{$a$} = f^{-1}(\colorbox{lightgreen}{$b$})

より

f^{-1}(\ f(\colorbox{mistyrose}{$a$})\ ) = f^{-1}(\colorbox{lightgreen}{\ $b$}\ ) = \colorbox{mistyrose}{$a$}

つまり,f^{-1}(f(x)) という関数は,aa に対応させる関数だということが分かります。そんな関数といえば・・・

y=x

です。これが関数の世界の単位元(単位関数?)になるわけです。余談でした。

Happy Math-ing!

練習問題にチャレンジ!

何度も解いて体で覚えましょう!

次の各問いに答えよ。

f(2)=4 より,

\begin{align*}
f(2) &= 4\\
a \cdot 2 + b &= 4\\
2a+b &= 4\ \cdots\ ①
\end{align*}
f^{-1}(\colorbox{mistyrose}{$1$}) = \colorbox{lightgreen}{$-4$} より \colorbox{mistyrose}{$1$} = f(\colorbox{lightgreen}{$-4$}) であるから,

\begin{align*}
f(-4) &= 1\\
a \cdot (-4) + b &= 1\\
-4a+b &= 1\ \cdots\ ②
\end{align*}

①ー②より

\begin{align*}
(2a+b)-(-4a+b) &= 4-1\\
2a+b+4a-b &= 3\\
6a &= 3\\
a &= \dfrac12
\end{align*}

これを①に代入して

\begin{align*}
2 \cdot \dfrac12+b &= 4\\
1+b &= 4\\
b &= 3
\end{align*}

(答)a=\dfrac12b=3

※ これは a \neq 0 を満たしている。

  • 20210612…初版公開。問題数1。

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