次の文や式が命題であるかどうか答えよ。また,命題である場合はその真偽をいえ。
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【解説】
素数とは2以上の自然数で,1と自分自身以外に約数を持たない数です。例えば2の約数は
1・・・・1と
2・・自分自身
だから,2は素数です。ちなみに唯一の偶数の素数でもあります。問題は3以上だから,2は考える必要はありません。続いて3の約数は
1・・・・1と
3・・自分自身
だから,3は素数です。そして奇数です。続いて4の約数は
1・・・・1と
2・・・・・★
4・・自分自身
となり,1と自分自身以外に約数(2)を持っているから素数ではありません。次に5の約数は
1・・・・1と
5・・自分自身
だから,5は素数です。これも奇数です。どうやら3以上の「素数は奇数である」と言えそうです。次に6の約数は
1・・・・1と
2・・・・・★
3・・・・・・
6・・自分自身
となり,1と自分自身以外に約数(2・3)を持っているから素数ではありません。どうやら偶数は素数になれないようです。その理由を考えてみましょう。
偶数とは2の倍数のことです。2の倍数は必ず2で割り切れます。つまり,偶数の約数には必ず約数2★が含まれるというわけです。よって,3以上の偶数は素数にはならないことが分かりました。
【答え】
「3以上の素数は奇数である」は正しい。
よって真の命題である。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
【証明】
\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}} \newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}} \newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}} \newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}} \newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}} \newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}} \begin{align*} & \colMM{orange}{\Darr 例えば\ 28\ を考えよう}\\ & m\ を\ 3\ 以上の偶数とすると\\ & \colMM{green}{ 28 \div 2 = 14\ \Darr}\\ &適当な自然数\ n\ を用いて\\ & \colMM{magenta}{ 28 = 2 \times 14\ \Darr}\\ & m=2 \times n\ と表すことができる。\\ & よって,\colMM{red}{m=1 \times m = 2 \times n\ だから}\\ & m\ は少なくとも次の約数をもつ。\\ & 1,\ 2,\ n,\ m\\ &したがって,\\ & m\ は1と自分自身以外に約数をもつから\\ & \bf 素数ではない。 \end{align*} %1 orange,bisque %2 green,palegreen %3 magenta, violet %4 deepskyblue, lightcyan
【答え】
「3以上の素数は奇数である」は正しい。
よって真の命題である。
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【解説】
いろいろな奇数+奇数を考えてみても
\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}} \newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}} \newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}} \newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}} \newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}} \newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}} \begin{align*} 3+7 &=& 10\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\ 11+5 &=& 16\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\ 123+33 &=& 156\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\ 4321+111 &=&4432\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\ \end{align*} %1 orange,bisque %2 green,palegreen %3 magenta, violet %4 deepskyblue, lightcyan
すべて結果は偶数になります。ご存知の通り
奇数+奇数=偶数
偶数+偶数=偶数
奇数+偶数=奇数
偶数+奇数=奇数
ですね。よって,
奇数+奇数=奇数
は正しくありません。
【答え】
「奇数と奇数の和は奇数である」は正しくない。
よって偽の命題である。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
【証明】
\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}} \newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}} \newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}} \newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}} \newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}} \newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}} \begin{align*} & \colMM{orange}{ \Darr 奇数=偶数+1と表せる}\\ 2\ つの & 奇数\ a,\ b\ を\ \colMM{orange}{ \Darr 偶数=2 \times \fbox{ }と表せる}\\ & a = 2m+1,\ b = 2n+1\\ とおく&。(m,\ n\ は自然数)\\ \\ a+b &= (2m+1)+(2n+1)\\ &= 2m+2n+2\\ &= 2(m+n+1)\ \colMM{red}{\ \cdots2 \times \fbox{ }と表せた!偶数!}\\ よって,\\ a+b & \ は偶数である。\\ \end{align*} %1 orange,bisque %2 green,palegreen %3 magenta, violet %4 deepskyblue, lightcyan
【答え】
「奇数と奇数の和は奇数である」は正しくない。
よって偽の命題である。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
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【解説】
「美しい多角形」は,人によって感じ方の違う言葉です。正六角形のほうが美しいと思う人にとっては正しいし,正五角形のほうが美しいと思う人にとっては正しくありません。そして,数学的に「美しい」かどうかを決めることもできません。
ちなみに管理人の私は,円を均等に分割して生み出される図形という意味で,
どちらも美しい
と思います。このように人によって意見が分かれてしまいます。
【答え】
「正六角形は正五角形よりも美しい多角形である」は
正しいか正しくないか決まらない。
よって命題ではない。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
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【解説】
\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}} \newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}} \newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}} \newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}} \newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}} \newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}} \begin{align*} & 結論「x^2=x」を解くと\\ & \begin{align*} x^2 &= x\\ x^2-x &= 0\\ x(x-1) &= 0\\ x &= 0,\ 1 \end{align*}\\ \\ & 仮定「x=1」を満たす\ x\ の集合をPとすれば\\ & P=\{\ 1\ \}\\ \\ & 結論「x^2=x」を満たす\ x\ の集合をQとすれば\\ & Q=\{\ 0,\ 1\ \}\\ \\ & P \subset Q\ であるから正しい \end{align*} %1 orange,bisque %2 green,palegreen %3 magenta, violet %4 deepskyblue, lightcyan
【答え】
「x=1 は x^2=x の解である」は正しい。
よって真の命題である。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
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【解説】
まず近似値(きんじち)とは、必要とされる誤差の範囲内で、ある数を表していると思って構わない数値のことです。円周率といえば「3.14」と答える人が多いのは確かでしょう。でも人によっては
3.141592
だったり
3.14159265359
だと答える人もいるでしょう。十分に小さな円であれば円周率を 3.1 として計算しても問題ありませんが,より正確な値が欲しい場合は桁数を増やす必要があります
このように近似値とは利用シーンに合わせて適切な桁数を選ぶものです。「よく」3.14が使われますが,必ず 3.14 を使う必要はありません。
【答え】
「3.14は円周率の近似値としてよく用いられる」は
正しいか正しくないか決まらない。
よって命題ではない。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。
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【解説】
正方形とは何?
4\ 辺が等しい + 内角が90^{\circ}
ひし形とは何?
4\ 辺が等しい
定義から分かる通り,正方形であれば「4辺が等しい」から,正方形はひし形の性質を持っていることが分かります。
【答え】
「正方形はひし形である」は正しい。
よって真の命題である。
正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。