数学で扱う「命題」とは

ただいま作成中

私の授業で使いながら問題を増やしているため、完成するまでに時間がかかりそうです。少しずつ問題を増やしたり、ポイント解説を付けたりしていきます。無限の彼方で完成する日を、どうぞご期待ください。

Happy Math-ing!

未完成でもよければ、使ってやってください。😃

次の文や式が命題であるかどうか答えよ。また,命題である場合はその真偽をいえ。

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【解説】

素数とは2以上の自然数で,自分自身以外に約数を持たない数です。例えば2の約数は

・・・・1と

・・自分自身

だから,2は素数です。ちなみに唯一の偶数の素数でもあります。問題は3以上だから,2は考える必要はありません。続いて3の約数は

・・・・1と

・・自分自身

だから,3は素数です。そして奇数です。続いて4の約数は

・・・・1と

・・・・・

・・自分自身

となり,1と自分自身以外に約数(2)を持っているから素数ではありません。次に5の約数は

・・・・1と

・・自分自身

だから,5は素数です。これも奇数です。どうやら3以上の「素数は奇数である」と言えそうです。次に6の約数は

・・・・1と

・・・・・

・・・・・・

・・自分自身

となり,1と自分自身以外に約数(2・3)を持っているから素数ではありません。どうやら偶数は素数になれないようです。その理由を考えてみましょう。

偶数とは2の倍数のことです。2の倍数は必ず2で割り切れます。つまり,偶数の約数には必ず約数2が含まれるというわけです。よって,3以上の偶数は素数にはならないことが分かりました。

【答え】

「3以上の素数は奇数である」は正しい。

よって真の命題である

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

【証明】

\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}}
\newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}}
\newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}}
\newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}}
\newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}}
\newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}}
\begin{align*}
& \colMM{orange}{\Darr 例えば\ 28\ を考えよう}\\
& m\ を\ 3\ 以上の偶数とすると\\
& \colMM{green}{   28 \div 2 = 14\ \Darr}\\
&適当な自然数\ n\ を用いて\\
& \colMM{magenta}{   28 = 2 \times 14\ \Darr}\\
&   m=2 \times n\ と表すことができる。\\
& よって,\colMM{red}{m=1 \times m = 2 \times n\ だから}\\
&   m\ は少なくとも次の約数をもつ。\\
&     1,\ 2,\ n,\ m\\
&したがって,\\
&   m\ は1と自分自身以外に約数をもつから\\
&     \bf 素数ではない。
\end{align*}
%1 orange,bisque
%2 green,palegreen
%3 magenta, violet
%4 deepskyblue, lightcyan

【答え】

「3以上の素数は奇数である」は正しい。

よって真の命題である

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【解説】

いろいろな奇数+奇数を考えてみても

\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}}
\newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}}
\newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}}
\newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}}
\newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}}
\newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}}
\begin{align*}
3+7 &=& 10\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\
11+5 &=& 16\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\
123+33 &=& 156\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\
4321+111 &=&4432\ \colMM{red}{\cdots\bf 偶数}\\

\end{align*}
%1 orange,bisque
%2 green,palegreen
%3 magenta, violet
%4 deepskyblue, lightcyan

すべて結果は偶数になります。ご存知の通り

奇数+奇数=偶数

偶数+偶数=偶数

奇数+偶数=奇数

偶数+奇数=奇数

ですね。よって,

奇数+奇数=奇数

は正しくありません。

【答え】

「奇数と奇数の和は奇数である」は正しくない。

よって偽の命題である

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

【証明】

\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}}
\newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}}
\newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}}
\newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}}
\newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}}
\newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}}
\begin{align*}
& \colMM{orange}{ \Darr 奇数=偶数+1と表せる}\\
2\ つの & 奇数\ a,\ b\ を\ \colMM{orange}{   \Darr 偶数=2 \times \fbox{ }と表せる}\\
& a = 2m+1,\ b = 2n+1\\
とおく&。(m,\ n\ は自然数)\\
\\
a+b &= (2m+1)+(2n+1)\\
&= 2m+2n+2\\
&= 2(m+n+1)\ \colMM{red}{\ \cdots2 \times \fbox{ }と表せた!偶数!}\\
よって,\\
a+b & \ は偶数である。\\
\end{align*}
%1 orange,bisque
%2 green,palegreen
%3 magenta, violet
%4 deepskyblue, lightcyan

【答え】

「奇数と奇数の和は奇数である」は正しくない。

よって偽の命題である

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

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【解説】

「美しい多角形」は,人によって感じ方の違う言葉です。正六角形のほうが美しいと思う人にとっては正しいし,正五角形のほうが美しいと思う人にとっては正しくありません。そして,数学的に「美しい」かどうかを決めることもできません。

ちなみに管理人の私は,円を均等に分割して生み出される図形という意味で,

どちらも美しい

と思います。このように人によって意見が分かれてしまいます。

【答え】

「正六角形は正五角形よりも美しい多角形である」は

正しいか正しくないか決まらない。

よって命題ではない

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

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【解説】

\newcommand\colNS[2]{\color{#1}#2\color{black}}
\newcommand\colUL[2]{\textcolor{#1}{\underline{\color{black}#2}}}
\newcommand\colMM[2]{\color{#1}\scriptsize #2\color{black}}
\newcommand\colBX[2]{\colorbox{#1}{#2}}
\newcommand\colFR[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\color{black}#2}}}
\newcommand\colFB[2]{\textcolor{#1}{\fbox{\scriptsize\bf\color{#1}#2}}}
\begin{align*}
& 結論「x^2=x」を解くと\\
& \begin{align*}
x^2 &= x\\
x^2-x &= 0\\
x(x-1) &= 0\\
x &= 0,\ 1
\end{align*}\\
\\
& 仮定「x=1」を満たす\ x\ の集合をPとすれば\\
& P=\{\ 1\ \}\\
\\
& 結論「x^2=x」を満たす\ x\ の集合をQとすれば\\
& Q=\{\ 0,\ 1\ \}\\
\\
& P \subset Q\ であるから正しい
\end{align*}
%1 orange,bisque
%2 green,palegreen
%3 magenta, violet
%4 deepskyblue, lightcyan

【答え】

x=1x^2=x の解である」は正しい。

よって真の命題である

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

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【解説】

まず近似値(きんじち)とは、必要とされる誤差の範囲内で、ある数を表していると思って構わない数値のことです。円周率といえば「3.14」と答える人が多いのは確かでしょう。でも人によっては

3.141592

だったり

3.14159265359

だと答える人もいるでしょう。十分に小さな円であれば円周率を 3.1 として計算しても問題ありませんが,より正確な値が欲しい場合は桁数を増やす必要があります

このように近似値とは利用シーンに合わせて適切な桁数を選ぶものです。「よく」3.14が使われますが,必ず 3.14 を使う必要はありません。

【答え】

「3.14は円周率の近似値としてよく用いられる」は

正しいか正しくないか決まらない。

よって命題ではない

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

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【解説】

正方形とは何?

4\ 辺が等しい + 内角が90^{\circ}

ひし形とは何?

4\ 辺が等しい

定義から分かる通り,正方形であれば「4辺が等しい」から,正方形はひし形の性質を持っていることが分かります。

【答え】

「正方形はひし形である」は正しい。

よって真の命題である

正しいか正しくないかが定まる文や式を命題といいます。

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